第二次世界大戦後。世界は米ソ2大国が核を向け牽制し合ういわゆる冷戦構造が成立し、アジア中東の弱小国がこの2大国の代理戦争をし合う世界となった。ドイツは東西に分裂、ベトナムや朝鮮も南北に分裂し、南北朝鮮の代理戦争が始まったのは1950年。戦争状態が2年経過し暫定的に休戦条約が取り交わされその後も局地的な衝突が続きながらも休戦状態のまま今に至る。時代は移り北朝鮮の代理人ソ連は滅亡、戦争状態であることを口実にアメリカは韓国に軍を置き続け、軍事対抗上北朝鮮は核武装をすることになる。代理戦争であるため当事者間で終戦を決めることができない状況の中、北の代理人中国と南の代理人アメリカが遂に重い腰を上げた。60年の時を経て終戦締結となるか。ふー。固い文章は疲れるな。米朝の歴史的会談が実現するとかしないとか。長らく続いた朝鮮戦争が終わるという歴史的な日を目前に皆さんはいかがお過ごしだろうか。
そんな歴史的会談を横目に日本のメディアは謝罪一色である。佐川さんの証人喚問から財務次官のセクハラ、山口メンバーの引退から日大アメフトタックル問題まで。食傷気味になるほど喚問、追及、謝罪のオンパレード。で、日大アメフト問題だ。無防備な相手選手にタックルをしかける反則行為を巡って、監督の指示の有無を焦点に学生と監督が交互に会見を行う前代未聞の珍事件である。自分のアメフトについての知識といえば大げさな防具をつけたラグビーという程度。ラグビーを引き合いに出しておいてなんだが、ルールすら知らない。高校の頃ラグビー部に友達がいて市選抜になるほどの実力者だと豪語していたので試合観戦しに行った記憶があるが、どの程度の力量なのかはさっぱりわからなかった。競技に対して無知なので当然と言えば当然なんだが、見ていてもラグビー的に「上手い」とは一体どういうことなのかがわからない。サッカーならゴールを入れる、野球ならヒットを打つ、ラグビーはトライというやつを決めれば上手いのだろうがどうやら彼はそういったポジションではないらしい。とにかくボールを持ってる相手に腰を落としてぶつかるぶつかる。サッカーでいうディフェンスというやつか。ぶつかり方の優劣をどうやって判断するんだろうか。
敵と接触するコンタクトスポーツというやつが昔から見るのもやるのも苦手だったわけだが、当時の漫画の影響だろうか、サッカーやバスケはとりあえずやってみるという風潮があった。それをやらない、もしくは上手くないという事実は運動音痴のレッテルを張られるそんな不遇の時代である。よくよくやってみるとサッカーもバスケも巧者になるほど激しくぶつかるわけで、やはり最終的に体格のいい人間が有利なのだ。稀に身長が低くても巧者がいるが近くで見ると背が低いだけで体格はガッチリしている。そして高校に入りラグビー部という存在を知る。自分の中でのラグビーは山下真司・ストライブ・不良、つまりスクールウォーズでしかなかったわけだが、実際のラグビーを見て驚いたことをよく覚えている。ボールを持って走ってる選手にタックルを仕掛けるわけだが、ボールを奪うためにタックルしてるというよりタックルしたいだけじゃないのかそれは、と。パスをした後であろうと構わずタックル。相手が嫌いだったらタックルに身が入りそうだ。スポーツにかこつけたタックル合戦という印象しかなく、これに比べればサッカーバスケはスタイリッシュだこと。ラグビーを球技と呼ぶには相当な違和感を感じるのは自分だけだろうか。
それに輪をかけて激しいのがアメフトというやつなのだろう。あの「武装」は激しくぶつかりますよというアイコンであることは一目瞭然である。どうしてこの競技をやるのだろうか。ラグビーの時点でうっすら感じていた疑問はアメフトに至って迷宮の中である。アメリカ発祥のスポーツって体がデカくて強いこと「だけ」を良しとする思想が根源的に見て取れないだろうか。アメフトのほかにアメリカ発祥スポーツといえばベースボール(あえてこう言ってみる)なんだが、アイツらも揃いも揃ってデカい。海を渡ってメジャーリーグに挑戦した野球選手が彼らの圧倒的な体格という土俵で戦ったが故にたいした成果を挙げれずに帰ってきたのである。イチローという名選手は彼らの土俵で戦わなかったから成功したと言われているが(とは言え身長180㎝体重80㎏は一般人としては相当デカい)、それでも野球はコンタクトスポーツではないからそれが可能だったと思う。アメフトはどうだろう。どんなにイチローがアメフト的に優秀だったとしてもイチロー的体格の人間が入り込む隙は皆無ではなかろうか。いや、線の細い人間にもアメフトをやらせろという話ではなくてさ。なんつーか「潰してこい」が日常会話として成立するスポーツってさ。日大の内田監督以下コーチ含め揃いも揃って一級品の悪人面だし。抗議会見した関西学院の監督も負けず劣らずの悪人面だし。悪人面の指導陣に怪力自慢の選手たち。一昔前ならちょっとした私兵集団ではなかろうか。
話は変わるけど山口メンバーの「メンバー」呼称問題がやっと世間的に認知されたな。古くは駐禁に逆切れした稲垣メンバーから六本木で全裸になった草薙メンバーまで、明らかにジャニーズに対しての配慮、いや今風に言うと忖度から「容疑者」呼称を外したことはバレバレだったんだが、その後どのメディアも「メンバー」呼称問題に対してはっきりした釈明をしなかったことで発生源すらうやむやになってしまった。今回もまるで世間の了解を得て浸透定着したかのように「山口メンバー」と臆面もなく報道したわけである。民放あたりのかわいいアナウンサーがワイドショーで扱うのならまだしも、NHKのちょっと固めのアナウンサーですら「メンバー」呼ばわりしていたが、原稿を見て必ず一度は声に出して練習をするはずであろう彼らはどう思っただろうか。「山口メンバー」。徹底的に発声の訓練を積んできた彼らの矜持にかけた「メンバー」。いや、自分としてはこの「メンバー」呼称はぜひ続けてほしいと思ってる。スマップもTOKIOも嵐もメンバーだろう。だがかつてジャニーズにいた男闘呼組ならどうだろうか。これは間違いなく「組員」になるはず。前田耕陽あたりが逮捕されないかな。前田組員覚醒剤所持で逮捕。誰もジャニーズを連想させない、最強の忖度だと思うが。